大学入試に対応できる英語力とは

2013年 9月 06日
作者: 代表 高山和子

先日テレビから、「受験英語なんてものは存在しない!」と某予備校の英語教師が熱く語っているのをふと耳にした。 私が常に思っていることを代弁してくれていたので、大きくうなずいた。 しかし生徒さんの多くは 夏も終わり、大学受験のための英語を勉強しなくてはと焦っているようだ。 なぜなら、英語はすべて中学英語、高校英語、英会話、TOEIC, TOEFLなどと分野分けされていて、受験英語も一般の英語とは別の存在のように扱われているからだ。 当校では、一応 教材の関係上、英会話、受験、英検等とクラス分けをしているが、私は、英語は英語、何を勉強しても実践的な実力が付くと考えている。なぜなら本当の実力を付けるには「読む」、「書く」、「聴く」、「話す」の4技能を踏まえた全方位からの学習なしでは不可能であるからだ。 英語が出来るとは、この全ての技能が身に付いて初めて出来ると言える。 この総合的な技能に基づき、どんな試験にでも対処できる実力が身に付いていると、ちまたに出回っている各種検定の攻略本などをあてにする必要はない。大学の二次試験なども単に受験の技術を付けただけで点数が取れるような簡単なものではないので、この根本的な実力を常日頃つねひごろから身に付ける学習が必要である。

では どんな大学入試にでも対応できる実力とはどれくらいを言うのか? 大学のセンタ―試験では、英語の基礎力を試されるので、英検で言えば2級までの実力があれば対処できる。だが、各大学の二次試験となると、勿論もちろん 大学のレベルによって試験の難易度に大きな差があるものの、どこの大学の入試でも長文読解が重視されているので、スピードと読解力が要求され一筋縄では行かない。 レベルの高い大学になると英検でいうと準1級相当の問題が出されるので、学校の授業で行う、一語一句を直大学入試に対応できる英語力とは訳する作業ではとても追いつかない。入試問題には, The Daily Yomiuri などの英字新聞からの社会的な記事が多く出題されるので、自発的に長文を速読、多読する自立性をつちかうことが必要だ。 知らない単語が出てきたら その前後関係からその意味を推測し、記事の大意をとらえる学習を行う。そして日頃から 日本語の新聞に目を通すことを習慣とし、社会的な事柄に関心を持つことも大切である。また、日本の中学校、高校で使われる教科書は文法を学ぶのには役立つのであろうが、英語を外国語として指導する諸外国と比較しても 教科書の英語は読む量が致命的に少ない。 このような浅い学習内容であるにもかかわらず、他のアジア諸国の学生と比較し、日本の学生の英語のレベルが低いと苦情を呈している政治家の先生方は、この日本語とは大きな隔たりのある英語という言語のとらえ方から見直す必要があるのではないかと思っている。 英語は言語であるので、他の歴史や科学といった科目のように、机にじっと座って教科書のあてがわれたページ数だけこなしていれば実力が付くものではない。 どちらかといえば、英語の学習は楽器の弾き方を学ぶのに似ている。 いくら楽譜が読めたところで、実際に毎日のピアノを弾く練習なしにはピアノが弾けるようにはならないであろう。 英語も文法が楽譜であるとすれば、実際 それを使えるようになるには、多読、速読、加えて、何度も声に出して読むことで単語や表現を覚え、英語のセンスを身に付けることが必要である。 単語力や読解においてスピード感に欠ける学習者は、ナチュラルなスピードの英語を聞いても理解できない。 英語とは目と耳と口を利用し、身体と頭に覚えさせる 文字通り身に付ける言葉である。 そして、言葉としての英語の学習は、試験に合格したり、就職が決まった時点で終わったりするものではない。

英語を学ぶ究極の目的は、試験のためではなく、それが世界共通の言語であるからだ。  世界では現在 約50%近くの人が英語を使っていて、その中でネイティブスピーカーはごく少数に過ぎず、もはや英語は英語圏の人々の言語にとどまらず世界が共有している言語である。そのことを踏まえると、この共通語を駆使できないことは、ご自分の将来の可能性を狭めることになる。また、視野を広め、国籍、文化の違いを超えて世界とつながるためには英語は必須である。 楽観的であるかもしれないが、世界中の人々が英語を母国語、または第二外国語として利用すれば, communicationを通じてお互いの理解も深まり、世界はもっと平和になるのではないかと考えている。今 受験勉強に一生懸命の生徒さんには、「受験英語」といった狭い枠に留まらず、英語を学ぶことの大義を見つめ直し、自立した学習者として揺るがない高い英語力を目指してもらいたい。

代表 高山和子

代表 高山和子 について

岡山県 津山市出身。英語講師。米国ドレーク大学大学院修士課程修了。帰国後、英語教育に携わり、'90年津山市にライト外語スクールを開校、本物の実力を身につけさせる指導に定評がある。国際ロータリー財団奨学生、英検1級、TOEIC 990点、国連特A級。 フル・プロファイル