完璧主義にこだわるな

2000年 6月 01日
作者: 代表 高山和子

学生時代身についた英語学習の習慣の延長で、常に 完璧に理解できないと前に進めないと言う学習者が多い。 受験勉強のために 英語を勉強している学生ならまだしも、一般の学習者が完璧主義にこだわると、かえってもういやになって長続きしないのではないかと思う。 よく 生徒さんから 英語の勉強の仕方について尋ねられるのだが、要はご自分のレベルを理解しそれに合った 方法を考え出すしかない。 方法を決めたら、それを 継続する事だ。 そして、マイペースで、重箱の隅を掘るようなやり方ではなく、もっと沢山の情報を取り入れる事に努めていると 知らず知らずのうちに英語力が身についているものである。

私は 学生時代から英語が大好きであったので、英語で書物を鑑賞できたら楽しいだろうと思い、大学では 英米文学を専攻した。 それでも 英米文学科というのは名のみで、実際は 高校の勉強の延長のようなもので、文学作品を一語一語忠実に訳してから 理解するという学習方法が要求された。 量よりも 質なのかもしれないが、私は 翻訳家を目指していた訳ではないので、結構この作業は飽きのくるものであった。 そこで、この学習方法は授業用にし、自分なりのやり方で勉強を進めていく事にした。 その当時 「ルーツ」という黒人奴隷の番組がNHKで大反響を呼んでいた。 私はテレビがなかったので、たまたま 古本屋で見つけた “ROOTS”の英語版を入手した。数百ページにも及ぶ大作であったのだが、とりあえず 少々分からないところがあっても 最後まで読み終えようと決心した。 単語すべてが理解できないと 内容が汲めないという教育を受けてきた私にとって これは最初 大変骨の折れる作業であった。 勿論 言語学習は この骨の折れる作業抜きにしては語れないのだが、ある程度のレベルに達したら、もっと量を吸収しなくて は駄目だと思い、私は完璧主義もほどほどにした。 そして、分からない単語があっても、辞書も引かずに読み進めていくうちに 知らず知らずのうちに 文の前後関係から 想像で内容が理解できうようになっていった。 この分厚い本を読み終えたという満足感は私に少なからず自信を与えてくれ、これを機に 徐々に 文学作品と原文で親しむ様になり、卒業後はアメリカでも引き続き、英米文学を学んだ。 そして アメリカでは 何十冊という文学作品を読む事が余儀なくされた。 辞書なんて使う暇などなく、無我夢中で読み進めて行くうちに、英語で読んでいる事を意識する事無く 文学鑑賞が出来るレベルに達していた。

英語学習のコツは完璧主義にこだわらず、とにかく マイペースで続けることだ。 少々分からなくても くじけず、前に進む。 テキストを始めたら、とにかく終わりまでたどりつく。 学習の歴史を物語る様に、一冊、一冊、テキストが増えていくにつれ、気づかないうちに 継続の効果が必ずや 現れてくる。 焦らず、常に マイペースに限る。

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代表 高山和子 について

岡山県 津山市出身。英語講師。米国ドレーク大学大学院修士課程修了。帰国後、英語教育に携わり、'90年津山市にライト外語スクールを開校、本物の実力を身につけさせる指導に定評がある。国際ロータリー財団奨学生、英検1級、TOEIC 990点、国連特A級。 フル・プロファイル